低すぎる最低賃金のために長時間働かないと生活の安定しない労働者の話が話題に

アルバイト生活から、安心感を求めて正社員になった労働者が、最低賃金近傍で働かされたために生活苦にあえいだ話が話題になっています。

週5日働くアルバイトは、月20万円ほどの収入だったものの、コロナ禍で半減。安定した生活を求めて正社員に就職したものの、朝9時から夜9時まで。月の労働時間は230時間を超えているのに、初月給は18万円でした。

基本給を時間給で換算すると、1019円。東京の最低賃金は1013円(当時)なので6円しか違いません。

問題点は3点考えられます。

一つ目に、労働時間のしくみです。変形労働時間制が導入されていて、残業代を抑える仕組みがあったのではないかと思われます。「1日8時間、週40時間、週に1日の休日」の原則から外れているのではないでしょうか。

二つ目に、残業代のしくみです。残業代は一定時間で打ち切られている、つまり、固定残業代が正しく運用されていません。固定残業代は、残業代としてあらかじめ支払っておく手当を指しますが、ハローワークでの求人情報には、細かく書かれています。

三つ目に、低い最低賃金です。日本で一番高い東京の最低賃金でも、最低賃金近傍で普通に働けば、生活が立ちゆかないことを示しており、生活を成り立たせるためには、無理に長時間働く必要があるという矛盾したことが起きています。

この国でいま必要なことは、普通に働いたら、ちゃんと暮らせることが保障される仕組みです。その中でも、最低賃金は時給1500円を目指して大幅引き上げを求めていくことが必要です。